第3のストレージの登場!?
データ保存先の選択肢が増えている
パソコンを含むデジタル機器で作業をしたら、データ(成果物)は消えないようファイルとして、
HDD(ハードディスクドライブ)もしくは
SSD(ソリッドステートドライブ)などの
「ストレージ」へ保存するお話は、”HDDとSSDの違いとは?”のページでも紹介しました。
ですが近年、第3の「ストレージ」が急に現われて広まり、一般化いていく流れとなっています。
そもそもストレージって?
色々名前が出てきてややこしいですが、
ストレージとは、データの保存先のことです。
HDDもSSDもストレージの仲間です。
一般的にパソコンやテレビレコーダーなどのデジタル機器に内蔵されているストレージは「内部記憶装置」と呼びます。
一方、持ち運べるUSBメモリ類や外付けHDDなど、機器に装着したり接続したりして使うストレージは「外部記憶装置」と呼びます。
そして現在、従来の2つの方法と異なり、インターネットを利用してウェブページを見る感覚で、企業や団体が用意したオンライン上のストレージ(外部記憶装置)にファイルを保存する手段が広がっています。
インターネットに接続して使用する、外部のストレージが第3のストレージ、「クラウドストレージ」と呼ばれています。
クラウドストレージの活用
クラウドってなに?雲?
インターネットのウェブサイトは、世界のあちらこちらに散らばっています。
クラウドストレージは、
雲のように広がる、インターネットの向こう側にある機能を利用することから”クラウド(雲)”と呼ばれるようになったとか、
インターネット上ですべて繋がっている存在であるから”クラウド(雲)”との呼び名がついたとか。
クラウドの由来は諸説ありますが、クラウドストレージは、見えるけれども触れない、実体があるようでないような、まさしく雲を掴むような存在ということを表しています。
クラウドストレージの使い方
ソフトウェア(アプリケーション)は、従来のファイルの保存先としてフォルダを選ぶときと同じ操作で、パソコンのHDDデータを保存するのと同様に、クラウドストレージを指定できます。
そのまま「保存する」ボタンを選べば、内部や外部記憶装置と同じく、ファイルの保存が行なえます。もちろん閲覧(読み込み)からコピー、変更や削除まで、ほとんどが「いつもと同じ操作で」自由に扱えます。
リモートワーク・テレワークでの利用
以前のデータ操作は、パソコンの前に座っている一人だけが操作出来るのが当たり前でしたが、IT技術は日々進化し「共有」という新しい作業方法を生み出しました。
さらには高速な通信インフラが整ったおかげで、同じ職場に出社することなく、同時にたくさんのユーザ(デジタル機器を操作する人)が、クラウドストレージ上に保存されているひとつの共有ファイルへ「アクセス」し、リアルタイムに閲覧・編集出来るようになりました。
様々な形で活用されているクラウドストレージは、リモートワーク(テレワーク)の普及・発展に無くてはならない存在になっています。
「インターネットへ接続する環境(端末)さえあれば、いつでもどこからでもファイルにアクセスできる!」
これは、環境が整えれば、自宅だろうと職場だろうと海外だろうと国際宇宙ステーションだろうと、その場を作業の場へと変えられるということです。映画や小説の中の話が現実になりつつあります。サヨウナラ満員電車!
クラウドストレージのバックアップ能力
企業・事業所向けの用途でもそうですが、家庭での用途の場合、クラウドストレージの一番の活躍の場所はバックアップ用途です。
クラウドストレージは、そもそも記憶装置が手元にありません。
ですので、コーヒーをこぼして壊してしまったり、火事で燃えてしまったり、子どもが机から落として壊してしまったり、泥棒に盗まれてしまったり、etcetc…..ということは有りません。
人為的な原因で大切なデータの保存されたストレージ(記憶媒体)を壊してしまうリスクがありません。
極端な話、宇宙空間にクラウドストレージを整備しているサービスがあれば、地球が滅んでもそこに保存されたデータは無傷で守れます。(メンテナンスする人間が居ないといずれダメになってしまいますが)
クラウドストレージはデータ消失に対して、従来のバックアップ方法よりもよりリスクを低く出来るので、デジタル機器のバックアップ(予備の複製)ファイル類の保存先として活用されています。
残念ながら、クラウドストレージサービスを提供している企業が、時折とんでもないトラブルを引き起こすので、100%データが保存され続ける訳ではありません。バックアップのバックアップも必要なのです。
クラウドストレージの弱点
クラウドストレージは「いいことだらけ」なのでこの先、巨大なマーケットになりうると、様々な企業が「クラウドサービス」の一環として参入し、ユーザの獲得で火花を散らしています。みなさんご存知の”Google”,”Apple”,”Amazon”,”Microsoft”などのクラウドストレージサービスが有名ですね。
実は、これがデメリットのひとつです。
クラウドストレージをある程度のサイズ以上、使いたいときは「有料サービス」になってしまいます。たとえば15GB(ギガバイト)までは無料で使え、それ以上なら「コストが発生」します。そこそこ無料で遊べるけれど、パワーアップするのは有料というゲーム関連アプリそっくりな形態なのです。
無料分のクラウドストレージを使い分けると、アクセスの度に必要な「アカウント」(情報の登録を行って得る利用者名とパスワード)を切り替えることになり、面倒です。
ですから、クラウドストレージを実用的に使っていくには、まず各社のサービス、とくに保存できる容量(サイズ)を吟味するのが『ポイント1』となります。
『ポイント2』は、対応している機器をチェックすること。
音楽のファイルをクラウドストレージへ保存し、自宅のパソコンで聴き、移動中はスマートフォンで聴こうとしたら、対応していなかった! これではメリットが半減します。
厄介なことにGoogleDriveがMicrosoftのブラウザから「利用できなかった」などのトラブルは、まだまだ残っています。アクセスするソフト(アプリ)やウインドウズなどOSとの相性が悪いというケースも、未解決です。対応チェックを行ってから、有料プランは検討してください。
最後の『ポイント3』は、最大のデメリットの「セキュリティー対策は万全か?」という点になります。クラウドストレージはおろか、クラウドサービス全体に言えるのが、不正アクセスから情報漏洩まで、ファイルの安全性は対策がされているか、ということに尽きます。
「アカウントの認証(ログインの仕方)、データと通信等の暗号化対策といった機能は、整えられていますか?」
これらは、クラウドストレージを選ぶときにチェックする重大ポイントです。残念ながら、インターネットに繋いだり、外部ストレージを外して持ち運んだりすれば、リスクゼロにはできません。どれだけリスクを抑えられるか、セキュリティー機能と過去の実績を確認しておくことをお勧めします。
こんな3つのポイントを満たしているのであろう、有名なクラウドストレージ(サービス)をご紹介して、まとめとします。
Google Drive(「グーグル・ドライブ」
- アンドロイド系スマートフォンならば、アカウントはすでに作っています)
- Dropbox(「ドロップボックス」、ウェブサイトの作成で使っている方も多い)
- OneDrive(「ワンドライブ」、ウインドウズ10では、ほぼ環境が整えられています)
なお「クラウドサービス」と混同しないよう、「オンラインストレージ」と呼び、区別しているところもあります。「オンラインストレージ」と「クラウドストレージ」は同じ意味で言葉が違うだけなので、心配ご無用です。
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