意外と知らないネットワーク用語
ネットワーク用語の整理
はじめに、ネットワーク関連の言葉がゴチャゴチャになって使われていますので、用語の交通整理をします。
よく「ウチは光回線のLAN(ラン)だから、インターネットが快適に使える」のような話を耳にしませんか?
実はコレ「新幹線だから海外旅行が快適になる」、こんな感じにズレています。
LANの意味は「ローカル・エリア・ネットワーク」の略で、自宅内やオフィス内、学校内などの限られた区域用通信網のこと。
ですから「あなたの家の機器は光回線でつながっているの?」と尋ねられたとき、答えに窮してしまいます。
こんなLANに対してWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)という言葉があり、これが「インターネット」とほぼ同義語にあたります。
では「有線」と「無線」にも、何か用語の勘違いがあるのでしょうか?
ウインドウズの幕開けとインターネットの普及
ひと昔前から有線(主に電話線)での通信は行われていました。ただ通信速度は遅く、パケット代にあたる電話代がかかって、しかも「ローカル(日本国内)」でした。
無線の先駆けとなる「ポケベル」や携帯電話もありましたが、通信衛星経由など、とんでもない器材が必須でした。ところがWindows(ウインドウズ)が、国際的(インターナショナル)なネットワークこと、インターネットを手軽にあつかえる機能へ対応し、デビューしました。
有線LANについて
有線LANのメリット
有線LANはそんな昔も、現在も変わらず使われているネットワークへの接続方法です。自宅内やオフィス内、建物内から学校内を含めて一般に、LANケーブルはコンセントへ電源のケーブルをさすように、器機同士をつないでいます。
そして事業主・企業に求められる「セキュリティ面が比較的安全」という部分がメリットです。それ以外として、ケーブルさえつなげられれば、安定した通信ができます。逆に「ケーブル」という点が最大のデメリットにもなります。
有線LANのデメリット
いまやネットワーク経由でプリンタからマウス、他のデジタル機器を複数、連携させて使うことが当たり前になってきました。しかし有線LANの場合は、物理的にケーブルをつなげていくため、すぐゴチャゴチャの「たこ足ネットワーク(?)」になってしまいます。
有線がゆえに、インターネット接続はおろか、離れた部屋のネットワーク対応プリンタで印刷したいのに、自由がきかないケースが多くなりました。
少し前は、有線LANの方が通信が安定して、なにより「やり取りが速い」と言えたのですが、技術面の進歩でそれほどの差は、なくなってしまいました。
無線LANについて
無線LANのメリット
無線はそのまま、電波を使ったやり取りです。なので電波が届く範囲にある器機ならば、どこに置いても移動させても、たとえ歩きながらでも、ネットワークへ接続できるメリットがあります。
最近では、無線の電波を自動的にキャッチして、ネットワークへつながってしまう程、便利になりました。一度、無線LANの便利さを経験してしまうと、有線LANでケーブルを引っ張ってくるのを面倒くさいと感じるでしょう。
無線LANのデメリット
ただ調子にのって、走りながらスマートフォンなどでデジタル機器を操作していたら、突然ネットワークへの接続が途切れることがあります。電波ですから、不安定な面が残っているのです。
さらに便利だからと世界中で多く使われ始め「混線する」というトラブルが起きています。使う場所の環境や、電波状況に左右されるのです。
もう一つのデメリットがセキュリティ面です。電波を使うため、意識していなくても「となりの家の電波が届いて認識されそうになる」ことがあります。この点にはかなりの配慮が必要です。
無線LANのネットワークへ接続するには、パスワードが必要になっていますが、そのパスワードが誰かに知られてしまった場合、勝手に使用されてしまう危険性があります。
また、キチンと暗号化されていないと、情報漏洩や盗聴による個人情報の漏洩の危険性もあります。
自宅で無線LANを設定する際は、面倒くさがらずにちゃんと説明書を読んで暗号化やパスワード設定を行いましょう。基本的に現在販売されている無線ルーターは、説明書通りに使用すれば、ちゃんとしたセキュリティ設定が施されるようになっています。個人レベルでの使用であれば、それ以上のセキュリティは心配しなくとも大丈夫です。
セキュリティさえ気を付けていれば、無線LANの通信の速度は日々進化していますので、まもなくケーブルでつなぐ方法と変わらないか、それ以上になって普及する日も近いかもしれません。
無線LANとWi-Fi(ワイファイ)の違い
これは少し趣旨と違いますが、蛇足で説明しておきます。
まず、世界的標準規格で「無線LAN(通信規格のIEEE 802.11)」が定められました。
次に、その規格を使う製造メーカが現在の”Wi-Fi Alliance(ワイファイ アライアンス)”という業界団体を作り、「Wi-Fi」というブランド名で異なる製造販売会社間での無線LANの相互接続保証を行いました。つまり、
「わかりやすい名称にしただけ」
です。厳密には、”Wi-Fi規格に対応した無線LAN機器”というような言葉の使い方になると思いますが、現在では、”無線LAN=Wi-Fi”というニュアンスで使用されることも増えていますので、そこまで難しく考えなくても良いでしょう。
有線LANと無線LANの使い分け
機器がまとまって配置されていて、頻繁に移動させて使わない場合は、セキュリティ面と安定性を考え、有線LANの使用をオススメします。
大量の個人情報や機密情報をあつかうところでは、有線LANは必須に近いです。
一方、スマートフォンやゲーム機、タブレットなど持ち歩いたり、携帯したりして家の中のあちらこちらで使うことが前提ならば、無線LANの使用をオススメします。
自宅に固定回線が既に設置してあるなら、無線LAN機器を導入するだけで手軽に家庭内のネットワークを無線化出来ますので検討ください。
もちろん家庭内でも、有線LANと無線LANは共存出来ますので、
「このパソコンは有線LAN接続」
「こっちのタブレットは無線LAN接続」
など用途に応じて設定が可能です。
電子機器はどんな環境で、どんなシーンでそして、こんな使い方を多くする――!
これらを踏まえて、それぞれの特徴によって使い分け、能力を活かせる接続方法こそが、選択してください。
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