HDDとSSDの違いとは?

HDDとSSDの違い IT用語
HDDとSSDの違い

HDDとSSDの役割

パソコンやタブレットなどで作業を行ったあと、そのまま電源をオフにしてしまうと、成果物は泡のように消えてしまいます。

そのため成果物となる「データ」を、ひとまとめにした「ファイル」は、電源をオフにしても改めて使えるよう、保存することが必要です。

”これはHDDってなに?”のページでも説明しましたが、デジタル機器ユーザでしたら半ば常識と言っていいほど、誰に習わなくても自然に身についてるかと思います。

HDDとSSDの仕組みの違い

HDDは磁気で記録

一般的にファイルの保存先は、HDDこと「ハードディスクドライブ」、もしくはSSDこと「ソリッドステートドライブ」という名称の記録媒体となります。これらの記録媒体は通電していなくても、HDDは磁気を使って、SSDは一般にフラッシュメモリ(記録の保持に電気が不要)へファイルを保存しています。

HDDは正式名称のとおり、中に「ハードディスク」という磁性化させた”金属の硬い円盤”が入っています。プラッタと呼ばれる”金属の硬い円盤”を高速回転させ、アクセスヘッド(読み書きするための針のようなもの)を保存先や保存元へ、プラッタと接触しないように僅かに浮かせた状態で動かし、記録内容を操作します。

ヘッドはプラッタが回転するときの空気力と、バネなどの仕組みで、わずかに浮いています。もし高速回転中のプラッタにヘッドが接触してしまうと、摩擦でプラッタへ傷がつき破損(クラッシュ)するという危うい面があります。HDDが振動や衝撃に弱いとよく言われるのはこの構造のためです。

さらに、デジタル機器やユーザからのファイル操作の指示に従い、アナログ・レコードやカセットテープのように、ヘッドを物理的にアクセス場所へ動かす「シーク」作業が必要となります。これにかかる時間「シークタイム」が結構、遅いのです。

HDDには、大きく2つのデメリットはあるものの、昔からの実績がある「枯れた技術」なので、製造コストを安く抑えることができます。そして一般的な使用環境での寿命は10,000時間前後(1日8時間使用して3年4カ月ぐらい)と言われていますので、

「安い! 大容量!(多く保存できる) けれど遅い」

という感じです。

SSDはフラッシュメモリで記録

一方のSSDは物理的、機械的に「何かを動かす」という作業はありません。ヘッドやモータなど駆動部分そのものが存在しないため、衝撃や振動などはSSDの故障にほぼ関係なくなり、当然、動作音は無いので大変静かです。物理的に動かない分、消費電力は少なくなりノートパソコンのバッテリー動作時間を長持ちさせるエコな面もあります。

特筆すべき点として、アクセスのための「シーク」はSSD内部のコントローラー素子が瞬時に行なうため処理が非常に速く、HDDが「そろばん」ならSSDは「電卓」と言えるぐらいの差があります。実際に従来のHDDと最新のSSD速度を測定・比較すると、SSDの速度測定(ベンチマークテスト)では、HDDの30~50倍すばやくアクセスできる結果となっています。

ただ、SSDにもデメリットはあります。

SSDは優れた媒体なので「容量に対してのコストがかかる」高級品であること。また、保存していくメモリの区画となる「セル」には寿命があり、万一、セルが壊れた場合はHDDのように「データの部分回復」はできず、全損してしまうリスクがあります。

HDDならば異音がし始めたりエラーがでたり、徐々に劣化・故障しますが、SSDは前触れなく丸ごと故障します。

それでも近年は、作業中の待ち時間が激減し、体感速度が驚くほどアップするため、HDDをSSDへ「クローン」(起動用情報からデータすべてをコピーしたそっくりさん)して換装したり、初めからSSDが搭載されているデジタル機器が多くなっています。

ファイル、データ、ソフト等を「保存していく」用途は両方とも、まったく同じでリスク面が違う。これらとメリットとデメリット、コストを考え、利用の際に確認しておきましょう。

余談ですが、軽作業が目的でしたらSSDは「絶対的に必須」な媒体ではありません。逆に、動画編集から3DCGのゲーム、複数のソフトウェアを併用しながら作業するのが目的でしたら、HDDだと待たされる時間が増えてイラつきます。

SSDはスマホの中にも

ところでスマートフォンは小さいにも関わらず、アプリや写真をたくさん保存でき、動きもスムーズですね。実はスマートフォンにも、同じ系統のフラッシュメモリが搭載されているからです。今後SSDは、より小型化・量産化されていきますので、パソコン用のSSDも価格はだんだん安くなっていくと思われます。

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