パソコンは何故熱くなる?

パソコンは何故熱くなる? IT用語
パソコンは何故熱くなる?

梅雨が終わり、本格的な暑い夏の訪れに合わせ、パソコンまで熱くなってサマーバケーションなのか、変な画面が表示されて停止…

え、それって、冷却処理がうまく機能しなくて、パソコンが「熱暴走」しているのでは……!?

特にノートパソコンでは内部の空間が狭いため熱がこもりやすく、急に作業が遅くなったり、表示中のソフト(アプリ)がギコチナイ動きになったりする現象が起こりやすいくなっています。ただ今のパソコンは、内部のセンサーによって温度を監視しているので、ある程度まで熱くなっても一時的なものであれば放置して(一応は)問題なし、とされています。

逆に、放置したら故障するケースもありますが、その見分け方と対策はどうしたらいいのでしょう。今回はそんなパソコンの発熱についてのお話です。

熱くなる原因は?

パソコンは電気を使って動作しています。そして電気と発熱の関係はシンプルです。

例えば家庭内の照明でお話しすると、現在はLED照明に移りつつありますが、少し前までは「100W(ワット)電球」などの白熱電球が使用されていました。電気をつけて光らせると、ヤケドする程に熱を帯びます。これとパソコンが熱くなる原理は、ほとんど同じです。

電源を入れる=電気が流れている状態だと、「電流」は部品内のさまざまな障害物にぶつかります。手のひら同士を擦っても熱くなるのと同じく、「摩擦熱」が放たれるのです。とくにパソコンではCPUなど、複数の部品を集めて小さくした「集積化」の産物です。

部品(素子)の中で電流が擦れて熱を放ち(流れ難くさを「抵抗」と呼びます)、熱くなってきます。

パソコンは電力がやはり作業用のエネルギーへ変わり、そのとき熱エネルギーが放たれています。

これらが蓄積していき、気づくとパソコンが恐ろしく熱気を帯びていた!となるわけです。

何かしていると熱くなるのは、パソコン以外のものでも自然なことなのです。

発熱と性能の対比

性能が高いパソコンや難しい作業をパソコンに行わせていると発熱します。

では、熱くすると性能はどうなるのか?というと、部品が熱を帯びると余計に電気の流れ方が悪くなり、性能は大きくダウンします。

性能が高いパソコンは「クロック周波数」「ベース周波数」の値が一般に大きくなっています。この値はざっくりと「どのくらいのリズムで部品を動作させているのか」を表しています。リズムが速いと、まさしくダンス音楽のように部品に、高速で作業指示が送られ、部品も猛烈に作業をこなしていきます。

高速で作業を行うということは、100メートル全力疾走を連続するかのごとく、熱をどんどん放ちます。性能がそこそこのパソコンは、コスト(値段)が高くなってしまうため、こんな過酷なリズムと作業指示に耐えられる高品質な部品は使っていません。

ですので安価なパソコンは、部品を動かすリズムを速く出来ないそれなりの部品を使用しています。なので性能もそれなりとなるのです。当然ながら発熱も抑えられて、冷やす対策や機能も簡略化でき、コストパフォーマンスは高くできます。

極端な例ですが、マニアの中にはパソコンを冷凍庫内で動かして、性能アップさせるチャレンジをしていたりします。きっちり計測すれば、確かに性能アップは可能ですが、冷却にも電気を使うので日常的な使用には適しません。(当たり前ですね)

冷やすとパフォーマンスを上げるという意味では、建設が進む超電磁リニアモーターカーもマイナス200度近くの液体窒素で冷やして、時速600キロ超えの能力を実現しています。

パソコンの熱対策と冷却方法について

パソコンに電気を流すと熱を帯びるのは当たり前なので、パソコン側も自動的に熱対策をあれこれ行ってくれています。

「熱の具合でパフォーマンスを変化させる」

これが自動的に行われる対策のひとつで、クロック周波数など「リズム」をあえて遅くし、パフォーマンス(性能)を落としてでも放熱させて、部品を冷ます機能です。熱が下がるまで、性能がダウンした状態でパソコンを使わねばなりません。

設定でこの機能を無効にしたり、機能自体が壊れていたりすると、部品が熱に耐えられなくなってきます。パソコンの動きが不安定になり、いきなりのフリーズが起きる(熱暴走)などが頻発し始め、さらに無視していると…

部品が再起不能(損傷)して、修理も出来ない状態へ進行します。

パソコン本体がかなり熱くなって、動きがおかしくなったときの対策として……

  1. 激しく行なわせている作業があれば一時停止させる
  2. 単純に、パソコンを操作せず5分くらい放置する
  3. もしくは部屋を涼しくする

これだけでも、状態をかなり回復できます。

また、パソコン本体がうるさく音を放ちだしたら、これも要注意。冷却機能としての「ファン」がフル稼働しているからです。扇風機さながらのファンが最大レベルで空気をとりこみ、部品を冷やしているのです。

まずは、上の1.2.3.の対策をお勧めします。「電源を切る」という対策を記さなかったのは、パソコンが備える冷却機能まで止まって、熱いまま無対策となってしまうからです。

高性能なパソコンになると「ヒートシンク」(熱を冷ます金属部品)が装備されていたり、一歩進んで、自動車の冷却と同じ仕組みの「水冷機能」(水を循環させて熱をさます)がついていたりと、強力な冷却機能を持つ機種が登場しています。

まとめ

パソコンに触れないほどの熱くなるような作業をしているのでしたら、操作していたユーザ(あなた)も熱気で汗が出ているかもしれません。こうなると人間も、集中力が落ちて「能力ダウン」してしまいます。

焦らずにひと息ついて、パソコンもユーザもクールな状態に戻してから、作業再開することをお勧めします。

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