NASのお話
「NAS」説明をしたいと思います。これはそのまま「ナス」と呼ばれています。大胆にたとえますと、一家やオフィスに置いてあるだろう見た目が四角い箱、小さなパソコンのような形状をしています。※たぶん野菜のナスは入っていません。
家族の写真や思い出の動画など、絶対に無くしたくないデータをお持ちの方にオススメします。
ではちょっと詳しく説明していきます。
NASはネットワーク・アタッチド・ストレージ (Network Attached Storage)の略
NASはネットワーク・アタッチド・ストレージ (Network Attached Storage)の略で「ナス」と呼ばれています。
ここでいうNetwork(ネットワーク)とは、オフィスビル内や宅内、そして学内だけで繋がっている「LAN(ラン)」のこと、ローカルエリアネットワークを示しています。
次のAttached(アタッチド)は、「付属の」とか「取り付けてある」という意味です。
最後のStorage(ストレージ)はこれまでもみてきました、HDDやSSD、USBメモリ等、データを保存する装置のことでした。
これが「冷蔵庫」の答えです。みんなで「共有」して使うデータの保存庫、保存装置の総称がNASです。
技術関係の用語をご存じの方は「ファイルサーバのこと?」と考えるかもしれません。7割くらいは当たりです。いえ、条件付きの当たりだと思えます。
NASの最大の特徴とメリットは「シンプル」
「ファイルサーバ」に含まれる「記憶保存機能、装置」が、NASの正体です。データのバックアップ用から「クラウドサービス」のようにLANの範囲内だけですが、データ(ファイル)を別の場所に保存したり、共有したりできます。みんなで一緒に操作し作業して進めるなど、NASはあれこれ活用できます。
いくつかのパソコンや端末、タブレットから、1台のプリンタを共有しておいて、印刷のときに使える仕組みと同じです。あつかうものが印刷物ではなくデータ(ファイル)になったものです。ひとつの機能に特化したシンプルさがウリで、その分、コストがかかりません。管理とメンテナンスの費用もあまりかかりません。
一般家庭で家族みんなのデータをバックアップしたり、パソコンやタブレットから画像や動画を閲覧するなどの用途に向いています。
また、便利な機能としてNASを家に設置しておくと、外出先でもNASのデータにアクセス出来る機種もあります。パーソナルクラウドストレージの様な使い方が可能です。毎回外付けHDDなどの記憶装置を持ち歩かなくても良いので、機器の紛失や落下・衝撃などによる機器の故障の心配が要りません。
NASの仕様(デメリット)
一般的なNASはデータの保存や、アクセスする部分だけで作られた装置です。
そのため、プリンタで書類や写真の読みとり(スキャン)ができないように、NASを設置し共有してもファイルを実行させたり、ウィンドウズOSを稼働させたりできません。
逆に、それらが可能で、さらにNASとほぼ同じ機能を備えているのが「ファイルサーバ」もしくは単に「サーバ」です。
NASは管理や設置が簡単は代わりに、「拡張性」「将来性」が乏しく、発展していく大きなプロジェクトの共有や管理用として使うのは、適していません。保存したいデータが増えても、新しくNASを追加して増やす以外の手がありません。
「セキュリティー面」は設定を行わないと、誰でもアクセス可能な状態になってしまうため、家庭での利用の場合、家族の誰かが誤ってデータを消してしまうことがあるかもしれません。近年販売されている、家庭向けのNASについては、極力簡単に設定が出来るように作られていますが、設定を行わずに使用すると後悔することになるかもしれません。
外出先からのアクセスを許可する場合、IDやパスワードなどのセキュリティーの設定をキチンと行って置かないと、第三者にアクセスされてしまう危険性があります。心配な場合は、外部からのアクセスを出来ないように設定してしまえば、自宅のネットワークからのみ使用が可能になります。が、便利な機能を一つ使えなくなってしまいます。
その他、NASの便利な機能
近年になって、ある程度の機能拡張ができるNASが発売されてきました。かなり「ファイルサーバ」に近づいた感じですが、ファイルサーバは、より多くの機能を備えているので、設置や管理、メンテナンスは非常に複雑になっています。
喪失させたくない大切なファイルの保存でしたら、RAID(レイド)機能を備えているNASがオススメです。ここでいうRAID機能は、データを常に分散して保存(2つのHDDに同じデータを保存する等)してデータ喪失のリスクを減らします。HDDが2つ搭載されていたり、RAID機能が付いているため、HDDが1つしか搭載されていないモデルよりは価格が高くなりますが、自動で常にHDDのコピーをしてくれるため、データの保全性が増します。
自分でデータを保存しなくても、パソコンの指定したデータを定期的に自動でバックアップをしてくれる機能もオススメです。デスクトップやドキュメント、ピクチャ、ミュージックなどのフォルダをあらかじめ指定して設定すると、毎日決まった時刻に自動でバックアップを取ってくれます。不意に発生するパソコントラブル時にもデータの損失リスクを減らすことが出来ます。
さらには、NASに保存したデータのバックアップを自動的にクラウドストレージに保存する機能などもあります。これを利用すれば、パソコン・NAS・クラウドストレージのい3箇所にデータを保存していることになりますので、パソコンが壊れてしまってもNASとクラウドストレージにデータが残っていますし、極端な話、自宅が火事になっても、クラウドストレージにデータは残っています。同時に3箇所が故障する確率はかなり低いのでデータ消失のリスクを大きく減らすことが出来ます。
家庭内や小さな組織、プロジェクトメンバーで消失すると困るデータを保存、共有して使用するのなら、高機能で高価なNASより(おそらく多くの機能が未使用となるから)、「RAID機能付きタイプ」にクラウドストレージへの保存・同期設定がオススメです。
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